占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:最近太ってきた気がします。3年ほど前に通っていたジムに再び入会したのですが、なんとなく行く気になれず、週1が限界。前は週3~4ペースで通えていたのに。仕事やプライベートが忙しくて行けないというわけではありません。なぜかやる気が起きないのです。自分が甘えてるな~というとき、どうやってペースを戻していますか。このままでは怠惰な人生を突き進んでしまいそうで不安です。(女性/会社員/31歳/てんびん座)

A:これは占い師の感覚ですが、人が持っている「よし、やるぞ」のパワーは、「何かが変わるかもしれない」とか「知らなかった景色に出合えるかも」のようなワクワク感とリンクしている気がします。

 何か面白いものに出合えるかもしれないという気配を感じているときには、自分が持っている以上の力を発揮したり努力できたりするんだけど、何らかの頂やゴールにたどり着いてしまうと、「こんなもんだったのかもしれない」と、そこから努力していく気持ちが落ちてしまう。気合が足りないとかそういうことではなく、これは誰にでも起こり得ることです。

 いただいたご相談を読んで、この方から“定住”の気配やオーラを感じました。もしかして、家を買うとか、あるいは長期的に住む町を見つけたとか、そんな状態にいらっしゃるのではないでしょうか。

 あなたはこれまで「リセット」から力を得ることが多くあったのではないかと思います。ある仕事を経験したら、今度は転職してまた全然違った仕事を経験しようとか、そういう異文化体験が力をくれていた。それが今は定住して長期的な安定した生活をしていかなければいけないというプレッシャーを抱えているのかもしれません。

 移動型の人にとって、定住のプレッシャーはとても強烈で、人生が面白くなくなってしまうのではという恐怖心も起きて、やる気が起こりにくくなっているのかもしれないと感じました。

 どうすればいいのかについてのアドバイスですが、自分が今までやってきたことをちょっとだけずらしてみるのはどうでしょうか。

 以前はジムに週3で通っていたのにそれがつらくなってきたのであれば、外にランニングに行ってみるとか。やる気がなくなったというより、自分が好む味が変わってきたみたいなことなのだと思います。時間が経つごとに自分の思考も変わります。無理にジムに行かなきゃと考えるより、少しずらして今の自分にフィットするものを見つけるのがいいと思います。

 てんびん座は旅人の性質が強く「ここではないどこか」を求め続けている人たちです。1カ所に定住すると、どこかに脱走したくなっちゃう。僕も年に何度かやっているんですが、キッチン付きの宿を借りて「プチ移住生活」するのはオススメです。そこの地元のスーパーに行って、食材を買って、ちょっとゲームセンターで遊んで、宿に戻って調理をして食べるみたいな。結構満たされますよ。

AERA 2025年3月24日号

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