その他にも上位進出とまではいかなかったが、2022年夏の甲子園に出場した一関学院の小野涼介(現・東北学院大)もアンダースローからの速くないボールで好投している。また今年のセンバツに出場する浦和実のエース左腕、石戸颯汰もストレートは130キロに満たないながらも、変則なフォームで昨年秋は浦和学院などの強豪校を抑え込んだ。スピード全盛の時代だからこそ、決して速いボールはなくても技術と工夫で甲子園を席巻する投手が今後も出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

