浦和学院の西田瞬
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 3月18日に開幕する第97回センバツ高校野球。優勝争いについては連覇を狙う健大高崎(群馬)、明治神宮大会で優勝を果たした横浜(神奈川)、その横浜と延長タイブレークの接戦を演じた東洋大姫路(兵庫)が中心と見られている。しかしセンバツ出場を逃したチームの中にも、夏にはこの3校を上回る可能性を秘めたチームがあるのは確かだ。そんな今後注目のセンバツ不出場組を探ってみたいと思う。

 関東でまず挙げたいのが浦和学院(埼玉)だ。1年夏に甲子園でも活躍したセカンドの西田瞬(3年)とショートの石田陽人(3年)に早くから注目が集まっており、それ以外にも抜群のパワーを誇る藤井健翔 (3年)、旧チームから中軸を打つ垣内凌(3年)、強肩捕手の落合隼飛(3年)など力のある野手が揃っている。

 投手もエース左腕の岡部修弥(3年)、本格派右腕の伊藤漣(2年)などタイプの異なる投手を揃えており層が厚い。秋の県大会では浦和実の変則左腕である石戸颯汰(3年)に抑え込まれて完封負けを喫し関東大会出場を逃したものの、新チームがスタートした時点でも他の強豪校から頭一つ抜けているのではないかという声も聞かれるほどだった。実際、県内で最大のライバルである花咲徳栄(埼玉)にも危なげなく勝利をおさめている。順調にいけば、夏も埼玉大会の本命となることは間違いないだろう。

 関東では横浜のライバルである東海大相模(神奈川)ももちろん有力校だ。強みはやはり昨年夏の甲子園を経験した選手が多く揃っているという点である。中村龍之介(3年)と金本貫汰(3年)は旧チームから中軸を任されている左の強打者で、ともに今年のドラフト候補にも挙げられている。夏の甲子園でホームランを放ったセカンドの柴田元気(3年)、攻守に安定感が光るサードの日賀琉斗(3年)も実力者だ。

 秋は怪我人が多く、またエースの福田拓翔(3年)が夏の疲れもあってか調子を落としていたこともあって、苦しい戦いが続いたが、それでも関東大会に出場してセンバツにも出場する山梨学院(山梨)と延長タイブレークの接戦を演じているところに地力が感じられる。福田の復調と、2番手以降の投手陣の底上げが進めば、横浜を上回ることも十分に考えられる。

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夏に期待できる西日本の注目高はやはり…