
「東大生タレント」として多くの情報番組に出演し人気を博した八田亜矢子さん(40)。現在は4歳の子どもの母として子育てに励むかたわら、クイズ番組などでも活躍しています。八田さんはエリート街道をひた走ってきたと思われがちですが、実は、女子トップの中高一貫校を途中でやめて転校するなど、学習面や学校生活で人知れず苦労もしてきたといいます。インタビュー【前編】では、小学生から「東大に行きなさい」と言われて育った家庭環境や、トップの女子中学校を中退することになったきっかけなどを聞きました。
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「小学3、4年のときにはもう、はっきりと『東大に行きなさい』と言われていたと思います。当時は大学の名前も知らなかったのですが、母方の祖父も東大だったので、『おじいちゃんと同じ大学に行くんだ』ぐらいのふんわりした気持ちでした」
4歳年上の姉がいたこともあり、小さい頃から遊びの延長で字を覚えたり、計算をしたりと勉強を始めていたという八田さん。母親はフルタイムで働きながらも、熱心に八田さんの勉強を見る「教育ママ」だった。当然の流れで、中学受験をすることが既定路線だったという。
「でも、塾に行ったのは小学6年からでした。それまでは家庭学習しかやっていませんでした」
当時は、まだ中学受験がそこまで一般的ではなかった頃。八田さんは東京の郊外に住んでいたこともあり、クラスで受験をするのは2、3人だった。放課後に友達と遊びたいときは、家に一度帰って出かけることは許されていなかったため、ランドセルを背負ったまま友達の家に遊びに行くこともあったという。母親の教育熱とは裏腹に、八田さん自身は中学受験に対してあまり身が入らなかった。
「家で一人になると、全然、真面目にはやっていませんでした(笑)。小学校から帰って、母が仕事でいない日は再放送のドラマを見たり、友達から借りてきた漫画を読んだりしていました。そういう日は参考書の位置を入れ替えて、勉強をしていたように小細工をするんですよ(笑)。理科や社会の科目は『1カ月でここからここまでやっておきなさい』という課題の出され方をしていたので、期限が迫ってきたら帳尻を合わせるために必死でまとめてやっていました」