週刊朝日 2023年1月20日号より
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 さらに自宅を改修する際、小さな駐車場を解体すると大量のコンクリートがゴミとして出た。

「小さな駐車場だったのですが、あまりのゴミの量に驚きました。コンクリートはゴミになるので使いたくないと強く思いました」

 戦後日本は4人に1人が住む家のない状態だったため、建築は住宅を供給することに主眼を置いてきた。1970年代に住宅不足は解消したが、“建築は人間だけのもの”という考えが根強く残っている。だが、人間は本来、動植物、微生物、土、水などと一緒に暮らしているので、それらもすべて含めて建築をとらえなければならないと考える。

「人間により壊されてしまった環境を再生する建築が世界では求められています」

 一つひとつの建築を変えることが都市全体の環境を変えることにもつながる可能性があるという。

「江戸時代には飲めた井戸水が、今は飲めません。これは地表をコンクリートなどで覆ったため土中の環境が悪化したからです。これからは土と水などの自然環境と人間のバランスを考えた建築が求められるし、そうあるべきだと思います。井戸水が飲める東京にしたいですね」

週刊朝日 2023年1月20日号より
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(本誌・鮎川哲也)

週刊朝日  2023年1月20日号

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