今季はプロ9年目で7月には30歳の誕生日を迎える。後輩が次々に優勝し飛躍を遂げているだけに、今年こそ悲願の初優勝を達成し、プロゴルファーとして一皮剥けたいところだろう。

 脇元華もツアー初優勝を期待される。金澤同様、8歳でゴルフを始めると、2013年には九州中学校ゴルフ選手権春季大会で2位。2018年5月に台湾ツアーのサンポレディスオープンでプロ初優勝を飾ると、同年3度目のLPGAプロテストに合格し、国内でのプロ入りを果たした。

 そんな脇元は、2年目の2019年にシード権を獲得すると、2022年のステップアップツアーのハナサカレディースヤンマーで優勝。レギュラーツアーでは好成績を収めることができなかったが、昨年は4,000万円以上を稼ぎ出し、賞金ランクは自己最高の25位。メルセデス・ランキングも30位に食い込んで見せた。

 特にTOTOジャパンクラシックでは、初日に大会コースレコードタイの63を叩き出して首位に立つと、最終日を最終組でプレー。最終日にスコアを落として6位タイに終わったが、米ツアーの強豪が集う中で上位に食い込んだことは大きな自信となるはずだ。

 身長が174cmと長身で、インスタグラムのフォロワーは11万人を超える人気のプロ8年目には、まだまだ大きな可能性が広がっている。

 この2人に次いで鶴岡果恋も興味深い存在だ。ゴルフを始めたのは10歳からで、2018年のプロテストで一発合格。同期には先に挙げた脇元の他、河本、渋野、原英莉花、大里桃子、臼井麗香、稲見萌寧らがいる。

 これまでシード権を獲得することはできなかったが、昨年はメルセデス・ランキング31位となり初のシード権を確保。KKT杯バンテリンレディスとニトリレディスで2位タイとなり優勝争いも経験するなど、貴重なシーズンとなった。

 また、ショットの正確性には定評があり、昨季はパーオン率が4位でボールストライキングは3位。プロ7年目にしてようやく存在感を見せることができた。今季は勝負の8年目。先を行く同期に追いつくためにも、そろそろ初タイトルが欲しいところだ。

 プロ入り5年以上が経過しツアー未勝利という選手は、彼女たち以外にももちろん多数いる。しかし今回挙げた3名は、昨季ランキングを上げ、2025年の活躍がかなり見込めるプロだ。果たして、この中から昨今の女子ツアーのトレンドからすると“ちょっぴり遅咲き”なヒロインは生まれるのか、注目していきたいと思う。

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