現在発表されている政策が、アメリカ経済やマーケットにとってプラスに働く内容が中心なことから、トランプ大統領は「黄金時代が始まる」と話している。この点について、岡村氏は「米国株が大きく値上がった状態から始まるということを含めて、今後のマーケットを読み解く必要があります」と指摘する。

 米国株に投資するうえでは、為替の問題も気になる。2024年は円安で、米国株を買えば、為替の影響も相まって大きな利益が出た。しかし、今年は日銀も利上げに踏み切る年でもあり、為替の円高リスクも意識せざるを得ないことが米国株を保有するうえでのリスク要因になるだろう。

 日本株市場を支える材料としては、上場企業の自社株買いが挙げられる。日本では2024年には年間18兆円規模の自社株買いが行われた。岡村氏の指摘どおりに、トランプ政権が日本に与える影響は軽微だとすれば、2025年も同規模かそれ以上の自社株買いが進むことで、株式需給の面では大きく崩れる心配がないとも言える。

「1期目の政権下でトランプ大統領が打ち出した政策は、当初のコメントでは強気の発言が目を引きましたが、着地としては地に足がついているものも多かったです。今期の政権において、一言一句が市場に与える影響があったとしても、それは短期的なもので、終わってみれば『今年も上がったね』で一件落着といった年になる可能性は高いでしょう」(岡村氏)

(ライター・丸田鉄平)

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