
2月23日に65歳になられた天皇陛下。令和も7年になり、国民と皇室をつなぐ情報発信やコロナ禍で経験を培った「リモート公務」など、天皇陛下が築き上げている“令和流”の皇室も変化していると、象徴天皇制に詳しい名古屋大学准教授の河西秀哉氏は指摘する。
【写真】可愛い!天皇陛下の愛娘・愛子さまの「ひげじいさん」ダンシングはこちら
* * *
令和になってからの大きな変化として、河西さんが挙げたひとつが「丸いテーブル」だ。
両陛下は2月18日、皇居・御所でトルコのクルトゥルムシュ大国民議会議長夫妻と会見。「丸いテーブル」を囲み、笑顔で言葉を交わした。昨年12月のベトナムのチャン・タイン・マン国会議長夫妻とも同様に「丸いテーブル」で懇談されていた。
河西さんによると、令和以前は外国の要人の夫妻と横一列になってテーブルにつき、男性は天皇陛下と男性同士で、夫人は雅子さまと女性同士で言葉を交わすかたちだった。
しかし、お話し好きで知られる天皇陛下、語学が堪能な雅子さまとで囲む円卓は、堅苦しさがやわらぎ、なごやかな雰囲気の様子がうかがえる。
「丸いテーブルにつくのは、これまでにない新しさで、実は大きな変化なのです」(河西さん)
ホームページが15年ぶりに改修
そして、この1年で大きく変わったことに「情報発信」を河西さんは挙げる。
宮内庁は昨年4月に宮内庁公式インスタグラム(kunaicho_jp)を開設。そして今月12日には、宮内庁のウェブサイトがリニューアルされた。大規模な改修は15年ぶりのことだ。
ふだんは一般人が立ち入れない皇居・宮殿の内部を360度のパノラマで紹介しているほか、皇室に関する制度や文化、皇居や京都御所の一般参観に関する情報などがわかりやすいデザインになった。
そして、スマートフォンでサイトを閲覧しやすくなった。
「これまでは、スマホでもパソコンでも同じデザインでしたが、端末に応じて見やすくなり、なによりスマホで見やすくなったのは大きい」
どんな情報を提供し、いかに充実していくかは課題だが、特に若い世代に皇室の情報をどう届けるかについて、宮内庁の意気込みが感じられると話す。