リモート公務が復活
河西さんはリモート公務が“復活”したことも、この1年での変化だと話す。
コロナ禍では、全国植樹祭などの式典の出席や、離島の高齢者施設の視察などを、モニター画面を通じたリモートで実施していた。2011年3月の東日本大震災から10年の節目の年には福島県、宮城県、岩手県の被災地をオンラインで訪問されていた。
そしてコロナが終息し、公務のために外に出られるようになると、リモート公務の機会は激減することになった。
しかし、リモート公務のスタイルはなくなったわけではなく、今月13日には両陛下が長崎県対馬市の高齢者施設をリモート訪問している。
「コロナ禍を経て、私たちが普段オンラインとオフラインを使い分けているように、皇室でも取り入れ始めたのは大きな変化だと思います。雅子さまの体調もあり、全国各地に訪問されるのも難しいなかで、この使い分けはとてもいいことだと思います」(河西さん)
天皇陛下と雅子さまが施設をリモート訪問した様子は、インスタグラムにも投稿された。「何より雅子さまがいい笑顔で、楽しそうにオンライン公務をされていた。投稿された写真からも、リモートでつながった高齢者施設のおじいさんやおばあさんたちと心を開いて交流されているのが手に取るようにわかりました」
「令和流」の皇室は、天皇陛下と雅子さまと共に、これからさらに変化を見せていきそうだ。
(AERA dot.編集部・太田裕子)
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