佐々木もドジャース入りを決断した大きな理由として「フロントの安定感」を挙げた。この決断により、敵地でブーイングを浴びる可能性も覚悟しているはずだ。そうしたリスクを上回る魅力をドジャースに見いだしたということだろう。
気になるのは、日本人選手の起用法だ。打者・大谷は昨年と同じく1番を打ち、ベッツとフレディー・フリーマンという頼りになる二人が後に続くだろう。
先発投手陣については、二刀流の大谷の負担を考慮し、ドジャースは通常の5人ではなく6人で回す見込みだ。山本由伸は実績のあるスネル、タイラー・グラスノーとともに、その柱として期待されている。佐々木については、日本では「いきなりメジャーで投げられるのか」という懐疑的な声も聞かれるが、現地では「即戦力」になると評価されている。スプリングトレーニングで、よほど調子が悪ければ、とりあえずマイナーでスタートも考えられなくはないが、現時点では先発ローテーションの一角を担うと見られている。
ロサンゼルス・タイムズによると、デーブ・ロバーツ監督は、日本での開幕第1戦の先発は山本を予定していて、第2戦は佐々木の可能性もあるという。
チームとしては、有望株の佐々木を長い目で育てるつもりなので、新しい環境に慣れる必要もある1年目は、過保護気味に登板間隔を空けたり、イニング数を制限するかもしれない。
優勝のカギを握るのは
各ブックメーカーは、揃ってドジャースをワールドシリーズ制覇の最有力候補に挙げている(次点でヤンキースとブレーブス)。FanGraphsの予測では、レギュラーシーズンでメジャー最高となる97勝65敗を記録し、97.9%という高確率でポストシーズン進出を果たすという。
ただし、短期決戦となるポストシーズンでは運の要素も大きく、優勝の確率は23.8%と算出されている。この数字を上げるためには、選手たちのコンディションをポストシーズンでピークに持っていく必要がある。特に、調子さえよければ打者を圧倒できる実力を持った大谷や山本、佐々木といった投手陣の存在がカギになる。
彼らがシーズンを無事に乗り切り、チームの連覇に貢献できるのか。ドジャース黄金時代に突入するのか。世界中の野球ファンの視線が注がれている。(在米ジャーナリスト・志村朋哉)
※AERA 2025年2月24日号より抜粋
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