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泉房穂氏は「勝負は4月からだ」
選挙区とは別に比例区がある参院選では、国会に議席を持たない政治団体、いわゆる「ミニ政党」と呼ばれる新党が生まれやすい。2022年の参院選でも「ごぼうの党」「新党くにもり」などが候補を擁立した。
今回も、参院選で新党設立の動きを見せるのではないかと目されたのが、前明石市長の泉房穂氏。「食料品への消費税ゼロ」実現を訴え、2月に入ってXで、賛同する国会議員の大同団結を呼びかける投稿を盛んに続けている。
〈まずは『#食料品の消費税ゼロ』から始める。この一点で突破し、「国民負担増の政治からの脱却」を図り、その後に全面展開を仕掛ける。大同団結のほど!〉
そして、「新党」に言及するこんな投稿も。
〈【新党『#食料品の消費税ゼロ』の結成について】 もし仮に新党を結成して参院選を闘うとなると、公選法上の政党とみなされるには10人以上の擁立が必要となり、全国比例10人で6000万円の供託金が必要。その10人全員が当選したとしても、参議院で法案提出できる20人にも足りない。さて、どうするか・・・〉
〈『#食料品の消費税ゼロ』の声は、4月からの“値上げラッシュ”を受けて、さらに一段と高まることになると思う。新党「#食料品の消費税ゼロ」構想も、その方向を選択するとしても、今はまだ急ぐ段階ではない。参院選の準備は3か月もあれば十分だ。勝負は4月からだ〉
泉氏を直撃すると、
「新党ですか? Xに投稿しているだけで、新党つくるなんてとてもとても……」
と否定。当面はあくまで大同団結で政策実現を目指す方針だというが、思わせぶりな言動をしているだけに新党設立の可能性はゼロではないだろう。
今夏の参院選で新党ブームはくるのか。政治評論家の田村重信氏がこんな見方をする。
「過去には、1993年の衆院選で日本新党や新生党など新党も含めた連立で細川政権が誕生し、政権交代を実現した。94年に政権をとった村山政権では自民党が社会党と新党さきがけと連立し、新党の存在感が目立った。自民党が過半数を割って政権が不安定な時は新党ブームになる傾向があります。
また、以前は新聞とテレビくらいしかメディアはなかった。しかし、SNSやネットを使って自らがメディアとして発信できる時代になった。昨年の都知事選で石丸氏が多くの票を獲得し、衆院選でも日本保守党や参政党が議席を獲得した背景には、SNSやネットによって発信できる時代になったことがあります。石丸氏やデヴィ夫人、噂になっている泉氏など発信力がある方がネット戦略をうまくやれば議席をとれる可能性がある。参院選でも新党ブームの予感はあります」
(AERA dot.編集部・今西憲之)
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