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クリップオンのように使えるモノブロックストロボ

 大型ストロボの中でも、電源部と発光部が一体のモノブロックは、求めやすい価格でハイアマチュアにも人気。今回紹介するプロフォトD2は、高速閃光仕様のモノブロックだ。
 ストロボの閃光は、光り始めからピークに達するまでの発光時間が高出力なときほど長く、スタジオ用大型ストロボでは光を出し切るのに要する閃光時間が特に遅い部類になる。料理のシズル表現などは低速閃光仕様が都合がよいのだが、逆に言えば速い動きを止めたい撮影は不向きだった。
 D2には最大出力の違いで1000Wsと500Wsとの2種類が用意される。前者は1600分の1~5万分の1秒。500Wsなら、最短で6万3000分の1秒の高速閃光だ。前モデルD1の1000Wsモデルの700分の1~1800分の1秒とは桁違いの差で、クリップオンストロボ上位機のクイック発光モードより高速となる。これにより飛沫などの肉眼では見ることのできない瞬間の造形美を写し止めることが可能となる。
 しかもフリーズ発光モードでは最高で秒間20コマの高速連写に対応。またニコンとキヤノンのカメラには専用のリモートコントローラー(別売税込み6万480円)でワイヤレスでのTTL調光が可能になり、HSS(ハイスピードシンクロ)モードでは8000分の1秒の高速シャッターにも同調するなど、ほかのモノブロックとは一線を画す。

D2(左)はシャッター速度1/30秒でも小さな飛沫を完璧に写し止めたが、一般的なモノブロック(右)は同調速度上限の1/250秒でもブレた。シャッター速度ではなく高速閃光が動きを写し止めていることがわかるはず
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D2(左)はシャッター速度1/30秒でも小さな飛沫を完璧に写し止めたが、一般的なモノブロック(右)は同調速度上限の1/250秒でもブレた。シャッター速度ではなく高速閃光が動きを写し止めていることがわかるはず
メインダイヤルはバリエーター(光量調節)という役割に加え、プッシュボタンも兼ねており各種メニューの設定に使用する
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メインダイヤルはバリエーター(光量調節)という役割に加え、プッシュボタンも兼ねており各種メニューの設定に使用する
キヤノンとニコンのカメラなら、AirRemoteTTL-C/Nを取り付けることでTTLオート調光が可能。発光モードの切り替え、光量調節、モデリングランプのオン/オフも手元できる
キヤノンとニコンのカメラなら、AirRemoteTTL-C/Nを取り付けることでTTLオート調光が可能。発光モードの切り替え、光量調節、モデリングランプのオン/オフも手元できる

◆宇佐見 健

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D2 500 AirTTL
●最大出力:500Ws●出力レンジ:10f-stops(1~500Ws)●リサイクルタイム:0.03~0.6秒●閃光時間:1/2600~1/6万3000秒●大きさ・重さ:31×13×18cm・3kg●価格:税別標準18万5000円

D2 1000 AirTTL
●最大出力:1000Ws●出力レンジ:10f-stop(s2~1000Ws)●リサイクルタイム:0.03~1.2秒●閃光時間:1/1600~1/5万秒●大きさ・重さ:31×13×18cm・3.4kg●価格:税別標準25万5000円