──誰かに振る舞ったことはありますか?
ありますよ。友達とか、家族に。驚いてくれたり、喜んでくれたりして、うれしいです。これまで、ドームに立ったり、アリーナに立ったりとか、すごい大勢の人に喜んでもらうのは、得意というか……ずっとそうやって仕事をしてきたので、経験のあることじゃないですか。ただ、一対一で人と話をするときも、料理でもそうですけど、目の前の人に喜んでもらうことって、すごい難しいなあと思っていて。
料理って、僕の場合趣味なので、振る舞う相手は小さな世界になっちゃいますけど。でも、その一人、家族でも、親でも誰でもそうですけど、一人に料理振る舞ったら、すっごい喜んでくれるじゃないですか。だから、それもやっぱりやりがいの一つかなと。
普段ライブもグループでやっているわけで、自分一人で、一人に向けて歌ったり踊ったりすることって、ないじゃないですか。僕としては、一人ひとりに届くように、という気持ちはあるんですが……。だから、難しいんです、一人を一人で喜ばせるって。
それができるな、って感じたから、料理ができるっていうのは本当にすてきなことだなって。相手の喜ぶ姿を見て、自分もうれしくなれるから、すごくいいものだな、と思いますね。
(構成/本誌・直木詩帆)
※週刊朝日 2022年5月20日号
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