広島・田中広輔
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 広島・田中広輔、中日・大島洋平、ソフトバンク・武田翔太が「崖っぷち」に立たされている。かつてはチームの中心を担った3選手だが、不調や故障などそれぞれの理由で戦力になれない状態となっている。今季のパフォーマンス次第では選手としてのキャリアも大きく変わりそうだ。

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 入れ替わりの激しいプロ野球界、結果を出し続けなければ居場所がなくなるのは当然だ。今季も苦しい立場となっている選手は少なくないが、知名度の高い3人に注目が集まる。

「3人には過去の実績があり、いまだ人気もある。ある程度の結果を出せれば各球団は可能な限り長く保有したいだろうが、近年は全くと言えるほど働けていない。まさに正念場と言えるシーズンだ」(在京球団編成担当)

 広島・田中は広島が2016~18年にリーグ3連覇を果たした際には主に「1番・遊撃手」として活躍。「タナ(田中)・キク(菊池涼介)・マル(丸佳浩巨人)」のトリオで球界を席巻した。

「全盛期はスピードを生かして走攻守で頼りになった。しかし年齢とともに下半身の粘りもなくなったことで個性を発揮できなくなった。早打ちタイプで代打にも向いていないので、ここからの生き残り方を見つけることが大事」(広島OB)

 昨季は66試合(先発は17試合)の出場にとどまり、打率.156(96打数15安打)、2本塁打、7打点。そのうち代打での成績は31打数2安打と“切り札”としても機能できなかった。

「オフの期間から体を徹底的に鍛え直している。キャンプでも下半身強化に励む姿が目立つ。最大の武器のスピード取り戻すことに専念しているようだ。レギュラー再奪取の意気込みが見えるのは頼もしい」(広島OB)

 とはいえ、今季の年俸3000万円は昨季の5000万円から減額制限の超えの40%ダウンとなった。置かれた立場が厳しいことは明白で「後がない」状態だ。

 中日・大島にとっても昨季は屈辱の年だった。シーズン初先発となった3月30日のヤクルト戦(神宮)でマルチ安打をマークするも、その後は代打出場が増えて調子が上がらないままシーズンを終えた。

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大島、武田は“生き残れる”か