性衝動を爆発させる綾を体当たりで演じる足立梨花 ©「マイ・ワンナイト・ルール」製作委員会

 本作の担当編集者である高澤里実さんによると、ワンナイトの代わりに欲求不満な女性たちの受け皿となっているのが、“TL(ティーンズラブ)コミック”と呼ばれる、男女の性愛を描いた漫画だ。

「ある人気作品の読者イベントでは、20代から40代まで大勢の女性ファンが訪れ、『この漫画が私の生きがい』とまでおっしゃる方もいました。男性の性欲は実際の行為がないと解消されない一方、女性の場合は心の潤いがあれば割と満たされるというのも、男女の違いかもしれませんね」(高澤さん)

 作者のなかおさん自身も、ワンナイトの経験については「創作の域を出ませんね…」とのこと。高校では「男の人と二人きりになったら妊娠する」と言わんばかりの性教育ビデオを見せられるなど、育ってきた環境の影響により、性に奔放になることへの躊躇(ちゅうちょ)がぬぐえないという。

 これまで社会の中で見ないふりをされ、ふたをされてきた、女性の性欲。令和の世に放たれたワンナイトをめぐる奮闘劇は、女性たちの“解放”を後押しする一手となるか――。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

◆『マイ・ワンナイト・ルール』はコミックシーモア(www.cmoa.jp/title/276806/)をはじめ各種電子書籍サイトで掲載中

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