ドラマ「マイ・ワンナイト・ルール」のワンシーン ©「マイ・ワンナイト・ルール」製作委員会
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 “女性の性欲”に正面から切り込んだ、テレビ東京の深夜ドラマ「マイ・ワンナイト・ルール」(主演・足立梨花)が注目を集めている。性衝動と理性のはざまで揺れながら、“ワンナイト”の恋を実践しようともがく主人公の姿には、共感、時には反感も寄せられる。「女性は貞淑であるべき」というステレオタイプに挑戦状をたたきつけるような本作。ドラマの原作となった漫画の作者が明かす、そこに込められた思いとは。

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「彼氏はいない。けれどセックスはしたい」

 足立梨花が演じる主人公の成海綾は33歳の会社員。独身で彼氏はおらず、行き場のない性衝動を誰にも言えずに悩んでいた。悶々とする日々の中、恋はせずに一夜限りの関係を楽しむワンナイトに救いを求め、後悔しないための“マイルール”を定めて突き進んでいく。

「オトナ女子の性サバイバル」と銘打たれたこの物語は、いったいどのようにして生まれたのか。

 原作漫画の作者であるなかおもとこさんは、数年前、女性の性欲をテーマに据えた作品を出版社から提案された。しかしその時は、「賛否両論あるセンシティブなトピックなので……」と断ったという。

「当時は、『夫婦や恋人間のセックスレス』や『サレ問題』など、性の悩みを描いた作品が急激に増えてきた時期でした。一方で、女性が不倫をしたり風俗に行ったりと性欲を前面に出すと、激しくたたかれる風潮もあって。バッシングへの恐怖がよぎり、筆が止まってしまいました」(なかおさん)

 だが、その後少しずつ意識が変わっていった。

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尖ったキャラクター設定の理由