"バツイチのチャラ男"という噂を持つ上司の堂島(平岡祐太)に壁ドンされる綾 ©「マイ・ワンナイト・ルール」製作委員会

 ドラマ化によって作品に大きな注目が集まる中、タイトルだけを見て嫌悪感を示す人も一定数いる。SNS上では「ワンナイトなんてろくなものじゃない」「風俗に行けばいい」といったコメントも寄せられた。だがなかおさんは、女性の性欲の“リアル”についてこう考えている。

「よく言われることですが、男性の性欲は発散したいという差し迫った必要に駆られたものである一方、女性の性欲は心も伴っていないと満たされないという違いがある気がします。性行為というと男性向けアダルトビデオのような過激なものを想像する人もいるかもしれませんが、多くの女性が魅力に感じるのは、愛情や安心感を得たうえで行うセックスだと思います。だから主人公のワンナイトのルールには『自分が一緒にいて楽しいと思える魅力的な相手である』『避妊は必ずする』といった内容を入れました」

原作漫画『マイ・ワンナイト・ルール』1巻の表紙 ©なかおもとこ/シーモアコミックス
綾が決めた「ワンナイト・ルール」5カ条 ©なかおもとこ/シーモアコミックス

ワンナイトは現実世界では難しい?

 作品をしっかり読み込んだ読者からは、「私のことを描いているのかと思いました」といった共感の声も数多く届く。ただ、ワンナイトについては「無理だけどしてみたい」という反応が多く、あくまでも憧れ止まりの女性が多いようだ。

 女性誌の“抱かれたい男ランキング”に名を連ねるようなイケメンが突然目の前に現れ、精神的・肉体的・社会的な安全が確保された上で、「今晩どう?」と誘われる……。そんな夢のような展開は、現実世界ではまず起こらない。

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ワンナイトに代わる“受け皿”