■東京V「C」

 昨季、16年ぶりのJ1舞台を6位で終えて迎える城福浩体制4年目のシーズンはまず、現有戦力の確保を最優先に行なった。レンタル移籍の立場だったFW木村勇大、FW染野唯月、FW山見大登の主力勢を完全移籍での獲得に成功。他クラブからのオファーが報じられたMF森田晃樹、DF谷口栄斗も残留し、海外移籍した山田楓喜を除いたレギュラー組は軒並みチームに残った。

 その上でパリ五輪代表のCB鈴木海音(←磐田)、年代別代表の常連だったMF平川怜(←磐田)、アグレッシブなサイドアタッカー・福田湧矢(←G大阪)と実力者を獲得して戦力アップに成功したと言える。ただ、好チームではあるが、クラブ予算の少なさ、外国人選手がGKマテウスのみという点など、昨季の6位以上となるトップ5入りを目指すには物足りない。それでも優秀なアカデミー育ちの選手たちが毎年のように他クラブへと巣立っていった時代は、J1定着によって終焉するはず。補強は控え目だが、今後が楽しみなチームになっている。

■町田「A」

 黒田剛監督の下、クラブ初のJ1挑戦で3位に躍進したチームからさらなる戦力アップを目論んだ。最も効果がありそうなのが、日本代表歴のあるFW西村拓真(←横浜FM)だ。最前線で90分を通してアグレッシブに走り続けることができる西村のプレースタイルは、間違いなく町田にフィットする。さらに福岡の攻守の要だったボランチMF前寛之(←福岡)、対人に強い右SBの中村帆高(←FC東京)、そして国内有数のCBに成長して争奪戦となっていた岡村大八(←札幌)と他クラブの主力の引き抜き、黒田監督の青森山田高校時代の教え子でもあるCB菊池流帆(←神戸)も獲得した。

 G大阪からレンタル移籍の立場だったGK谷晃生の完全移籍移行にも成功し、退団の噂もあったFWオ・セフンも無事に残留。昨夏に補強した相馬勇紀、中山雄太、白崎凌兵も含めて、チーム全体の選手層は昨季開幕時よりもワンランクアップしており、ACL参戦による過密日程も乗り越えられる戦力が揃った。昨季の戦いをベースに今季、再び優勝争いをしても、誰も驚かないだろう。

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