今季から町田でプレーする西村拓真
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 いよいよ2025年のJリーグ開幕が迫ってきた。今季も20チームで争われるJ1は2月14日~16日に開幕節が行われ、12月6日の最終節まで全38節にわたる長丁場の戦いが繰り広げられる。その幕開けを前に、J1全クラブの「今オフの補強」を査定して5段階(良い方からA・B・C・D・E)で評価したい。今回は鹿島、浦和、柏、FC東京、東京V、町田、川崎編。

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■鹿島アントラーズ「B」

 新たに前川崎の指揮官でクラブOBの鬼木達監督を招聘し、新時代の幕開けを宣言した。補強の目玉は、昨季リーグ2位の21得点を挙げたFWレオ・セアラ(←C大阪)だ。実力に疑いの余地はなく、日本でのプレーも5年目&4クラブ目であり、まだ30歳になったばかり。昨季まで顕著だった鈴木優磨への負担は間違いなく軽減される。

 昨季の主力クラスからMF名古新太郎、MF仲間隼斗、MF藤井智也が退団したことはマイナスになるが、代わりにMF荒木遼太郎(←FC東京)、MF松村優太(←東京V)をレンタル復帰させて2列目の攻撃力は遜色なし。その上で、センターバックとしてDFキム・テヒョン(←鳥栖)、サイドバックとしてDF小池龍太(←横浜FM)と質の高い即戦力を確保し、DFラインは層が厚くなった。

 その他、コンディション万全ならば大きな武器となるチャヴリッチを完全移籍に移行させ、すでにトップチームで片鱗を見せている逸材FW徳田誉(←鹿島ユース)もトップ昇格。各セクションでの戦力バランスも良くなった印象だ。あとは鬼木監督の目指すサッカーがどこまで浸透し、どの段階で機能するか。補強に関しては大きな不満はない。

■浦和レッズ「A」

 昨季13位からの巻き返しへ向けて今オフも積極補強を敢行した。目玉は高い技術を土台にしてシュート、パス、ドリブル、そして献身性を高次元で併せ持つMFマテウス・サヴィオ(←柏)だ。この補強だけで今オフは成功だとも言える。さらに豊富な運動量で適応力も高いMF松本泰志(←広島)、打開力の高いドリブラーのMF金子拓郎(←コルトレイク)を獲得し、既存戦力も合わせると2列目の充実ぶりは目を見張る。

 課題だったDFラインには、SBの荻原拓也(←ディナモ・ザグレブ)をレンタル復帰させ、CBには大学屈指のDF根本健太(←流通経済大)に加えてダニーロ・ボザ(←ジュベントゥージ)を獲得した。空中戦とスピードが自慢でSBも可能という26歳のブラジル人が“当たり”ならば一気にDFラインが充実する。その他、昨季ルヴァン杯得点王のFW長倉幹樹(←新潟)を獲得し、FW高橋利樹(←横浜FC)、MF柴戸海(←町田)、早川隼平(←岡山)をレンタル復帰させた。あとはチームとしてどう機能させるか。主力の流出もなく、今オフの補強としてはフロントを褒めるべきだろう。

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柏、FC東京の評価は…