マイペースゆえ孤高な芸人
「山口さんはもともと営業マンとして会社員をしていたところ、一念発起してお笑い界に入り、1994年にDonDokoDonというコンビでデビューしました。芸人離れした歌唱力や演技力など幅広いスキルが認められ、『笑っていいとも!』『ワンナイR&R』『リンカーン』といった人気バラエティー番組に引っ張りだこになりました。また、三谷幸喜・脚本の大河ドラマ『新選組!』や宮藤官九郎・脚本の『木更津キャッツアイ』などで俳優業でも活躍しました。さらに宮迫博之さんとのユニット『くず』でも成功し、アルバムには宇多田ヒカルやGLAYが参加するなど、音楽的にも認められました。まさにテレビで顔を見ない日はないほどの活躍だったのです」(同)
その流れが変わったのが2009年の「リンカーン」(TBS系)の降板だった。コンビとしての活動も「ワンナイR&R」(フジテレビ系)が終了した06年に事実上の解散状態となっていたこともあり、露出が減少。12年間MCを務めた「にじいろジーン」(同)が20年に終了すると、ついに地上波全国放送レギュラーがゼロとなった。その理由について、放送作家はこう述べる。
「山口さん芸の多彩さ・器用さが注目される一方で、時としてゲストを立てることより自分が目立つことを優先させてしまうと指摘されていたこともあります。視聴者や共演者・スタッフからは、彼のマイペースな部分がマイナス評価を受けることもあったそうです。『ワンナイ』で山口さんが披露した数々の名物キャラは、どれも空気を読まず、自分のやりたい芸をひたすら続けることで大ヒットしました。現在も、出演者が少なく1人で進行することが多いローカル番組で成功しているということは、やはりそういうタイプの芸人なのでしょう」
加えて、バラエティーやお笑いについて自分なりの確固たる意見を持っており、時にそれが「面倒くさい」と捉えられることもあるようだ。
「以前、タカアンドトシの北海道ローカル番組に呼ばれた際は、出演番組の選び方について持論を展開していました。現在のお笑い番組の主流である“ひな壇芸”が重視されるトークバラエティーについて、『すごい人たちがでているのに生かされていない』と厳しい評価をし、MCと対面でじっくり話ができる番組でないと出演する気になれないというような本音を吐露したこともあります」(前出の放送作家)