そのうえで、退職代行サービスの知名度の影響についてもこう話す。
「退職代行サービスの知名度が爆発的に上がったことも要因の一つです。サービスそのものは10年くらい前からメディアに出ていましたが、若者も含め浸透してきたのはここ数年。特に話題になった昨年の影響が強いでしょう。退職という言葉は誰でも少し気が引けるものでしたが、摩擦なく、ストレスなく退職できるのであればしてみようかな…と思う人は多いのではないでしょうか」
社員とコンタクトをとることが重要
以前と比べ、退職のハードルが低くなった時代。人材流出を避けるために企業側ができることはどんなことだろうか。
常見氏は「休みの前にしっかり社員と向き合うこと」を必要不可欠な要素として挙げる。
「休み前に社員とコンタクトをとることは重要です。ボーナスが支給されたときの評価を伝える面談だったり、面談でなくともちょっと話を聞いたり、社員がどう考えているかを注意深く読み取る努力が必要です。コミュニケーションの薄さはやめるきっかけにつながりかねないので、とにかく向き合うことが重要だと思います」(常見氏)
(AERA dot.編集部・小山歩)
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