Iさんは続けて、

「これは、悪役、わかっていて前からやっているお仕事ですか?」

 と聞くと、團十郎さんは、

「大丈夫ですか? 仁木弾正のことを言っているのかな。仁木弾正というのは悪役というよりも、国盗りというか、なかでも最上級に品格のある部類に属す役柄。本当にわずかな時間のなかで、存在というものを示すということはかなり大変だろうと思っていまして」

 と役の説明をした上で、

「歌舞伎の役と個人とは全く関係ないので、そこらへんはどういう意図でそういう話をしているのか僕にはわからないんですけど、何を求めているか逆に言っていただければそれを答えようかなと」

 とIさんがどんな回答を求めているのかを聞いた。それに対しIさんは、

「基本的にはね、主役というのは悪役はやらないじゃないですか」

 とさらに聞くと、團十郎さんにこう返された。

「あの、ちょっと勉強不足で。仁木弾正というのは、代々の團十郎がやっている演目ですし、逆に言うと、荒獅子男之助も、今度、右團次さんがやるのも、九代目團十郎が主にやっていた役。どういうことを言っているの?(笑)わかんなかった。ごめんなさい」 

PRするのであれば、もうちょっと謙虚でも

 基本的には終始、にこやかな表情で回答をしていた。

 最後、司会が会見の終了を告げると、團十郎さんはスマホでIさんの方向を撮影したようだった。

 そして、立ち去る間際までIさんのほうを手で指し示し、

「大丈夫ですか、大丈夫ですか。悪人の話は。何か欲しい言葉なかったですか。大丈夫? 本当に大丈夫なら大丈夫なんだけど、何かちょっと気になって……。大丈夫? 大丈夫ですか、大丈夫?」 

 とIさんに対して「大丈夫?」を何度も繰り返して聞いていた。やはり、Iさんがどんなコメントをほしいのか聞いているようにも取れた。

 Iさんは「別にいいよ」と答え、司会が團十郎さんに「大丈夫だと思います」と伝え、終了した。

 会見を振り返り、Iさんは、

「團十郎さんは、不遜だよね。私は別に怒ってはいないけど、舞台をPRするのであればもうちょっと謙虚であってもいいのではないかと思いましたね」

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