その他、昨季J2で6位となり昇格プレーオフ決勝で惜しくも敗れたベガルタ仙台、7位ながらJ1復帰への可能性を見せたジェフユナイテッド千葉も候補にはなるが、仙台は13得点5アシストの中島元彦、千葉は23得点3アシストの小森飛絢とエースが退団した。ともに攻撃の核であり、昨季のチーム内MVPと言えた選手が抜けた影響は大きいだろう。ただ、仙台は森山佳郎監督が今季2年目、千葉は小林慶行監督が3年目を迎える中、ともに“監督力”には大きな期待が持てる。チーム一丸となり、シーズンを戦う中で新エースを含めて新たなブレイク選手が出現すれば、上位争いに加わることは十分に可能だろう。

 そして注目しなければならないクラブが、J3優勝でJ2復帰を果たした大宮アルディージャだ。そもそもJ3に落ちる戦力ではなかった訳だが、昨季の戦いぶりは戦前の予想以上のものがあった。その上で今オフには流出を最小限に抑えた中でFW豊川雄太、MF谷内田哲平(←ともに京都サンガ)、MF安光将作(←カターレ富山)の即戦力に、すでに日本で実績のあるDFガブリエウ、MFカプリーニ(←ともに横浜FC)の外国人も加え、選手層が厚みを増した。そして何より、レッドブルによる買収によって、クラブのビジョン、フロントの意識、選手たちのモチベーションが大きく変わる。冷静に考えると、J1復帰は「早くとも2、3年先」との予想となるが、クラブの本気度がチームに伝わって翼を授かれば、一気にJ1復帰を果たすことになるかも知れない。(文・三和直樹)
 

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