優しさで返せる人
――俳優として、Snow Manの“めめ”として、また一人の人間として、それぞれの立場から目下の課題を尋ねた。
目黒:俳優としてはもっともっと頑張って、見てくれる人の心を揺さぶれるようなお芝居を追求したい。そのためには、たとえ演技であっても、本当の感情を乗せないといけないというか……要は「なってるふう」では絶対に人の心は動かせないし、揺さぶれないんです。
でもそれは演技に限ったことじゃなくて、Snow Manとしてパフォーマンスを届けるときも同じだということに、最近気づきました。何も考えずに歌って踊っているだけでは、誰の心も打てないし、「よし、明日も頑張ろう」とは思ってもらえない。やっぱり見てくれる方に、少しでも元気になってもらいたい、明日も頑張ろうと思ってもらいたいという思いを本気で乗せたパフォーマンスをするから、心を揺さぶれるんだと思うんです。結局、すべて繋がっているんだな、と。
人間としては……なんでしょうね(笑)。でも人ってやることに追われて忙しなく過ぎていくだけの毎日が続くと余裕がなくなるじゃないですか。そういうときに人間の本性が出てくる気がして。だから、いくら自分に余裕がなくなったときでも、せめて自分を助けてくれる周りの人たちには、ちゃんと優しさで返せる人でありたいなとは思っています。
──しかし、本当に疲れたときはどうするのだろう。「もう何もかも嫌だ!」と叫びたいような瞬間はないのかと尋ねると「そりゃああります、僕も人間ですから」と可笑しそうに笑った。
目黒:それこそ、クッションを口に当てて「わ~~~!」ってしたくなるようなときもあります。でも、それでも明日は来るんですよね。だから、しんどくなったら「それでも明日は来る」と考えて……冷静になります(笑)。あ、でも、本当に嫌なことがあると、すぐ眠くなって寝ちゃうかもしれないです。体がもうそうなっているんだと思います。
――そこまで頑張り続けられる原動力とは何か。
目黒:これは本当にそうなんですけど、今の僕のいろんなものを受け止めて応援してくださる方がいるから頑張り続けられる。その方たちの中には「あの映画を見るまでは」「あのドラマの次の1話を見るまでは」「あのCDが発売になるまでは頑張ろう」みたいに、僕たちの活動を心の支えにしてくれて、ギリギリで今日を生きて頑張っている人もいると思うんです。いや、必ずいるんです。それなのに僕が手を抜いて届けていたら嫌じゃないですか。だから、どれだけきつくても手は抜けないし、本気でやるしかない。それはこれからも変わらない、僕の原動力です。
(構成/ライター・大道絵里子)
※AERA 2025年2月3日号より抜粋