[撮影:蜷川実花/hair & make up 宮川朋子(est un)/styling 横田勝広(YKP)/costume FENDI]
この記事の写真をすべて見る

「劇場版『トリリオンゲーム』」に出演するSnow Manの目黒蓮さん。俳優業やアーティスト活動のこれからについて胸の内を語った。AERA 2025年2月3日号より。

【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾った目黒蓮はこちら

*  *  *

――昨年は、目黒蓮が大ブレイクするきっかけとなったドラマsilent」チームが再結集したことでも大きな話題となった「海のはじまり」に主演。突然、幼い少女の父親であることを知らされ、葛藤する青年の心の機微を繊細に演じてみせた。ここ数年、俳優として着実に成長を続けるなかで、演じることへの思いに変化はあるのだろうか。

目黒蓮(以下、目黒):立場とか、与えられるポジションの変化というのは、やっぱり感じるところがあるので、そのなかでもっとどういうことができるのか、もっとやれることはあるのか、みたいなことは結構、考えるようになりました。

 でも、向かっていく方向とか「こういうお芝居ができるようになりたい」みたいな根本的なところはあまり変わってない。自信もいまだにないし、今もひたすら必死で頑張っている最中です。

――できるようになりたい芝居とはどんなものかを尋ねた。

目黒:それを具体的な言葉にすると、今度から自分のお芝居を見ていただいたときに「あ、こいつこれやりたいって言ってたな」と思われると恥ずかしい。内緒です。何にしても、自分のやり方は、とにかく目の前の作品に全力で取り組んで力を注ぐだけ。常に学べるものはなんでも学ぼう、落っこちているものはぜんぶ拾おうという気持ちでいます。昔から性格的にゼロか100しかない。お仕事以外においてもそうなってしまう傾向があって、本当に困っちゃうんですけど……ただ、そもそもバランスを取ろうともしてないってところもあるかな(笑)。逆に言えば100頑張るところを取ったら、僕には何もないので。

――その場にいたスタッフ全員の「さすがに謙遜しすぎでは」という空気を察したのか、すぐに「いや、本当に本当に」と真顔で強調した。

目黒:ジュニアの頃からこれといった特技もないし、自分には「頑張ること」しかなくて。それを取ってしまったら何もないというのは本当にそうなんです。なにより、そのやり方で今の自分になれたという思いもあって。だから、そのやり方を止めてしまったらもう上を目指せないし、そこで止まってしまうような気がする。だから、今後も常に100を続けていくつもりです。

次のページ
優しさで返せる人