かつて侍ジャパンのメンバーだった選手は、困惑の表情を浮かべる。
「プライベートでの交流はなかったですが、球場でお会いした時は『頑張ってください』と声を掛けていただきました。僕は子供の時からSMAPをテレビで見てきた世代なので、初めてお会いした時は感動しました。物腰が柔らかくて、『分からない点が多いので教えてください』と色々質問されました。選手の情報は僕が知らないことも多かったですし、勉強になることが多かった。本当に野球が好きな方なんだなあと……。今回の一連のニュースを聞いた時は、びっくりしました」
「サポートキャプテンの後任は置かない」
野球ファンの裾野を広げた功績は評価されてきたが、シビアな意見がなかったわけではない。
「中居さんは野球が大好きで、熱心な思いは伝わってくるんですけど、アナウンサーと解説者のやり取りが盛り上がっている時に、中継でカットインしてしまうことが度々ありました。近年は少なくなりましたが、プレーを自分なりに分析して話をするので、解説者との間で微妙な空気が流れることもありました。テレビ中継に出演してもらったある解説者が、『中居さんがプレーを説明するなら、僕は必要ないんじゃないですか』と不快感を露わにしたこともあります。野球ファンの間でも侍ジャパンに携わり続ける中居さんに賛否両論の意見があったので、キャプテンの後任は置かないと思います」(民放テレビ関係者)
あふれる「野球愛」をどう伝えればいいか、試行錯誤を続けていた部分はあっただろう。別のテレビ関係者はこう証言する。
「気さくなキャラクターもあり、年下の選手を呼び捨てで呼んでいたことがありましたが、批判の声が聞こえたのでしょう。呼び捨てを改めて、選手を『さん』づけしたり、名前の後に『選手』をつけて呼ぶようになりました。解説者のように話していた時期もありましたが、最近は先回りせずに、自分が知っている知識でも知らないようなスタンスを取って、解説者の話を聞くようになっていました。こういった形で今後は姿が見られなくなるのは残念です」
侍ジャパンは3月にオランダと強化試合を開催する。何もなければ中居さんはまた「公認キャプテン」となり、現場で中継していただろう。野球ファンのすそ野を広げてきた第一人者の姿はグラウンドからも消えてしまった。
(今川秀悟)