ザ・ビートルズの故ジョン・レノンと、妻でありプラスティック・オノ・バンドの共同リーダーであるオノ・ヨーコの人生における重要な18か月間を追った新作ドキュメンタリー映画『One to One: John & Yoko』が、現地時間2025年4月11日にIMAX限定で公開される。米デッドラインによると、ケヴィン・マクドナルド監督によるこの映画は、劇場公開後の年内にMaxで配信されるという。
映画の説明には、「1970年代の変革期を迎えたニューヨークに足を踏み入れたカップルの人生を、音楽、個人、芸術、社会、政治の世界を探求しながら感動的に描く。1972年、アメリカ史の激動の時代を背景に」とある。この映画の中心となるのは、1972年8月にマディソン・スクエア・ガーデンで行われた、特別な支援を必要とする子どもたちのための2回公演のチャリティー・イベント【ワン・トゥ・ワン・コンサート】だ。これは、2年前のザ・ビートルズ解散後に行われた、ジョン・レノン唯一のフルレングス・パフォーマンスだった。このチャリティー・ショーには、スティーヴィー・ワンダー、シャ・ナ・ナ、ロバータ・フラックなども出演した。
コンサートの音源は、夫妻の一人息子であるミュージシャンのショーン・オノ・レノンによってリミックスされ、プロデュースされた。彼は声明で、「ケヴィンのドキュメンタリーは、両親がバンク・ストリートや初期のニューヨークで過ごした時代について、まったく新しい洞察をもたらしています。不安定で腐敗し、不必要な戦争が絶えない激動の時代に、平和と非暴力の推進に揺るぎない献身を捧げていた両親の姿を直接的に示しています」と述べている。
この映画では、1970年代初頭にジョンとヨーコが18か月間、米ニューヨークのグリニッジ・ビレッジの狭いアパートで暮らしていた間に、ジョンとヨーコが録音・撮影した電話での会話やホーム・ムービーなど、これまで未公開の夫妻の個人アーカイブの映像も新たにテレシネ・修復されて使用されている。
1972年を舞台にしたこのドキュメンタリー映画のエネルギッシュな1分間の予告編では、スタテン島フェリーに乗ったり、アンディ・ウォーホルとつるんだり、自由の女神を訪れたりする2人のホーム・ムービー映像がフィーチャーされている。2人が自由と機会の象徴である自由の女神に、握りこぶしを突き上げて敬礼した有名な瞬間も含まれている。このモンタージュは、彼らの楽曲「New York City」に合わせており、1980年12月にジョンが殺害されるまで暮らしていたこの街との彼らの愛の物語を綴っている。
『運命を分けたザイル』や『ホイットニー ~オールウェイズ・ラブ・ユー~』などで知られるマクドナルド監督は、「私は彼らの人生における転換期に焦点を当て、彼ら自身の言葉、映像、音楽を通して物語を語ることで、熱心なレノンとオノのファンでさえも驚かせ、喜ばせるような映画を作りたかった。ジョンがビートルズ脱退後に唯一行ったフルレングスのコンサートを捉えた美しい16mmフィルム映像を中心に構成されたこの映画が、観客にジョンとヨーコのより親密な姿を紹介すると同時に、彼らの政治的に急進的で実験的な側面も反映するものとなることを願っている」とコメントしている。
この映画は昨年の【ベネチア国際映画祭】でワールド・プレミア上映され、今週【サンダンス映画祭】でも上映される。