中日の立浪前監督
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 中日低迷の要因は球場の広さなのか――。中日の立浪和義前監督のある発言が、反響を呼んでいる。

【写真】みずほPayPayドームの「ホームランテラス」

 立浪氏は昨年12月、愛知県豊橋市内で開催されたトークショーで、本拠地のバンテリンドームが広くて点が入りにくい球場であることに触れ、「数年後には狭くなるっていう話も聞いていますけど」と発言。これが地元テレビで放送され、ファンたちの間で「バンテリンドームにホームランテラスができる!」と話題になったのだ。

 バンテリンドームは両翼100メートル、中堅122メートルと広く、外野フェンスも4.8メートルと高い。阪神甲子園球場などと並んで、本塁打の出にくい球場となっている。立浪氏は監督時代の22年に、「ピッチャーは育つが、バッターはなかなか育たない」と、ホームランテラス導入を求める発言をしていた。

 もともとあった外野フェンスの前に、テラス席をつくって外野のフィールドを狭くする「ホームランテラス」。現在、球団本拠地となる球場では、ソフトバンクの「みずほPayPayドーム福岡」、楽天の「楽天モバイルパーク宮城」、ロッテの「ZOZOマリンスタジアム」に設置されている。外野が狭くなるので当然、本塁打は出やすくなる。ホームランテラスを導入する前後でチーム本塁打数を比べると、ソフトバンクは導入前の2014年は95本(リーグ5位)だったが、導入後の15年は141本(リーグ1位)。同様に楽天は12年の52本(6位)が13年は97本(3位)に、ロッテは18年の78本(6位)が19年は158本(3位)にと、いずれも飛躍的に増えている。

 中日の球団関係者に聞くと、「現時点でホームランテラスを設置するとは聞いていない」と語るが、球場が狭くなれば本塁打数は増え、得点力が増すことは間違いない。

 中日は低迷期が続いている。過去10年間でAクラスに入ったのは3位になった20年のみ。残りの9シーズンはすべて5位以下で、優勝争いにも絡めていない。立浪氏が22年に監督に就任してチーム再建に乗り出したが、球団史上初の3年連続最下位と屈辱を味わい、昨年限りで監督を退任した。

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中日の選手は「フェンスを低くしてほしい」