それは、『片づけられない女たち』(サリ・ソルデン著、ニキ・リンコ訳、WAVE出版)というアメリカの本の翻訳書です。この本はADHDの大人の女性たちについて書かれていて、「まさに私のことだ」と思いました。

 これまで自分ががんばっていないからだと思っていた困りごとへの捉え方ががらりと変化したのです。そして、「気合いだけじゃなくて、スケジュールを覚えている、忘れ物をしない、計画を進める、整理整頓などをするためには、“しくみ”が必要なんだ」と確信しました。

 それから、ずぼらなりのスケジュール帳の活用、持参物を用意するための意思決定、計画立て、物理的なしくみを作り、私の人生はなんとか回り始めました。

 私のような人間でも、なんとか締め切りが守るためのしくみのおかげで、これまで50冊の本を世に送り出すことができました。

 仕事だけでなく、毎年描く「1年間の夢」もほぼ叶えてきました。体重を減らしてバレエを始め、白いビキニを着て南の海でスキンダイビング。着物を着たり、おうちでパーティをしたり。本当に人生が変わりました。

 こうした経験から、同じように困っている人に、まずは自分を責める悪循環から脱してもらい、不器用をラクに補うしくみを身につけて、人生で本当に使いたいことのために時間を使えるようにしてほしいと思っています。そして、最終的には夢を叶えて、自分らしい人生を歩んでもらいたいと思っています。

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不器用でもできる方法とは