「20代中盤頃までは『存在感は抜群だけど、演技は……』と大根役者のレッテルを貼られることも多かった佐々木さん。しかし、15年に『ブロッケンの妖怪』で舞台に初挑戦し、共演した竹中直人さんや生瀬勝久さんから直接演技指導を受けたことが刺激になったようで、その後は目に見えて演技が上達した印象。17年にHuluで配信された主演ネットドラマ『雨が降ると君は優しい』では際どいテーマの中で体当たり演技を見せ、高く評価されました」
佐々木といえば、グラビアやファッション誌のモデルとして絶大な人気を誇っていた08年に映画「ハンサム★スーツ」で俳優デビュー。09年公開の映画「天使の恋」で初主演となったが、このオファーには「演技ができないからやりたくない」と主演を嫌がる佐々木を、所属事務所の関係者らが必死に説得したエピソードは有名だ。前出の編集者が振り返る。
「俳優デビュー後、数年はネット上に書き込まれる酷評を目にしては落ち込んでいたという佐々木さんですが、10年ほど前にはそうした悔しさをバネに演技と真剣に向き合うことを心に決めたそうです。夫のアンジャッシュ・渡部建さんの不倫騒動時、離婚する気配がない佐々木さんの“強メンタル”が大きな話題となりましたが、周囲に何を言われても曲げない意志の強さは彼女の武器であり、魅力ともいえます」
仕事に対して真面目で責任感が強い
最近は昨年7月に開設したYouTubeチャンネル「佐々木 希 (仮)」で私生活を公開し、素の表情を見せる機会も増えている佐々木。芸能人としての成長を惜しまない彼女について、芸能評論家の三杉武氏は次のように語る。
「佐々木さんは映画『天使の恋』で初主演を果たした同時期に、ロッテのガム「Fit’s」など多数のCMにも起用されて知名度を高め、ドラマ『土俵ガール!』『ファースト・クラス』、映画『呪怨』シリーズなど数多くの作品に出演。かつては週刊誌などで元ヤン疑惑が取り沙汰されたこともありましたが、若い頃から仕事に対するスタンスは真面目。責任感も強く、ADなどの若いスタッフにも偉ぶらず気さくに接するなど現場ウケは非常に良く、仕事をともにしたスタッフや共演者などから悪い評判は聞いたことがないですね。俳優デビュー間もない頃はその演技に厳しい声も一部でありましたが、結婚する前後あたりから特に近年はその演技力に対する業界内の評価も高まっています」
3月14日公開予定の映画「お嬢と番犬くん」をはじめ、今後も出演作の公開が続く佐々木。「地獄の果てまで連れていく」では熱量の高い役をどのように演じるのか目が離せない。
(小林保子)