――中学の時からの友達ですからね。改まって「大丈夫?」って言いづらいのかも。
オカモトショウ「そうなんですよ。休んでる時も、“調子どう?”ってLINEを送るかどうか悩んじゃったり。でも、ちゃんと伝えないとダメなんですよ、そういうことは。体調が悪くなることはハマくん以外の誰に起きてもおかしくないし、気になることがあったら“大丈夫?”って言わないと。当たり前のことなんだけど、それができてなかったなって。もっと言えば、4人で音楽をやれてるってこと自体がすごいことじゃないですか。そのありがたさをわかっていなかったし、いつ終わりが来てもおかしくないからこそ、いつも全力でやらないと。もちろんずっと一生懸命やってたんだけど、さらにその気持ちが強くなりました」
――なるほど。
ハマくんの不在をきっかけに“思い”が強くなった
オカモトショウ「俺たちはめっちゃ音楽が好きで、リスナーとしてもめちゃくちゃ聴いてきたし、“こういう音楽がカッコいい”という美学みたいなものが強くあるバンドなんですよ。要は“音楽こそが最高”という感じだったんですけど、ハマくんが休んだことをきっかけに、自分たちの思いが音楽を超えるような瞬間が出てきて。たとえば去年の夏フェスは、ハマくん以外の3人で何本かやったんです。俺がギター・ボーカルをやって、ギターのコウキがベースを弾いて。『ハマくんが返ってくる場所を守ろう』という気持ちだったんですけど、3人でステージをやると技術もクソもないというか(笑)、自分たちの“思い”で持っていくしかないんですよね。そのときに『こういうパワーって大事かも』と思って」
――デビューしたばかりのバンドって、技術よりも“思い”が全面に出るものですけど、OKAMOTO'Sはそうじゃなかったかも。最初から演奏がめちゃくちゃうまかったですからね。
オカモトショウ「こんなこと言うとアレですけど、閃光ライオット(OKAMOTO'Sのデビューのきっかけになった10代限定フェス)に出たときも、俺らがいちばん上手いなって思ってました(笑)。当時から自分たちの“思い”とかよりも“音楽への愛”のほうが強かったんだけど、15年経って、その順番が変わってきたのかもしれないです」