テレビ東京系で放送されたドラマシリーズ「孤独のグルメ」の劇場版が、今月から公開され、好調なスタートを切った。人気漫画を原作とし、ドラマはシーズン10まで放送されている人気作。年末には8年連続で再放送され、過去回の“イッキ見”が年末年始の「風物詩」となりつつある。男一人の食事風景を、ひたすらに描いてきた作品は、なぜ長く愛されているのか。
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「孤独のグルメ」は、個人で輸入雑貨商を営む井之頭五郎(いのがしら・ごろう)が、仕事の合間に飲食店に立ち寄って食事をする様子をひたすら描くドラマ。原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる同名の漫画作品が原作だ。
ドラマは2012年にシーズン1が始まり、22年にシーズン10まで放送。各シリーズが最終回を迎えるたびに、「次のシーズンはいつから?」と新作の待望論が巻き起こってきた。
また、複数のスペシャル版も制作され、昨秋には本編から派生した「それぞれの孤独のグルメ」が放送。そして初めて映画化された「劇映画 孤独のグルメ」が、1月10日から全国公開された。
映画版は、国内最大級の口コミ数を誇る映画情報サービス「Filmarks(フィルマークス)」の注目度ランキングで1位になるなど(1月14日現在)、好調なスタートを切った。新作を公開している映画館をのぞいてみると、関連グッズの売り切れも好調のようで、Tシャツ(3300円)やどんぶり(2860円)などは完売。ファンの熱量の高さがうかがえる。
一人でメシを食うただそれだけの魅力
作品のおおまかな内容としては、男が、一人で、メシを食う、それだけと言ってしまえばそれだけの作品だ。しかし、根強いファンが多く、登場した店も「聖地巡礼」の名所となっている。
ドラマを見て楽しむだけでなく、ドラマで登場した店を実際に訪れ、食べ歩きの様子をSNSに投稿するファンも。「孤独のグルメ情報WEB」というファンによる食べ歩きサイトは、これまでに放送のなかで登場した店を紹介。昨年末の「大晦日スペシャル」で登場した3店「ピッコロレガーロ」(東京・日野市)、「焼肉吉見」(長野・飯田市)、「ちゃんこ力」(石川・穴水市)も、放送直後にすぐに掲載され、ピザやパスタ、生ラム肉、ちゃんこ鍋などの写真がアップされていた。