波津:伊藤先生お描きになっては?
伊藤:いやいやいや! 遠慮しておきます(笑)
優秀賞は初登場レーベルの恋愛作品!
波津:『ジュリエットは27歳 毒を呑んで、死んだ』って、タイトル長いですよね(笑)
後藤:最近は長いタイトルで内容を連想させる作品が多いですね。
馮年:十分に筆力のある作者だと思います。
後藤:ただこの『ジュリエットは…』と『あなたがいてくれたから』は漫画としてはどうなんだろう。どちらかというと映画やドラマ、実写で見てみたいかも、とも思います。
波津:こういう、復讐ものの漫画って最近多くないですか? レディースコミック全盛の頃に、ある程度出尽くした感が無きにしもあらずで。
馮年:女ふたりのキャラクターとセリフ、互いのリアクションがうまく描けていたのはよかったなと。途中でちょっと先の展開が見えてしまう部分もあるんですけど、それでも読ませるだけの力があったように思います。
漫画化しやすい作品・しにくい作品
司会:全般に面白い作品が多かったという原作部門ですが、惜しくも選に漏れた作品にはどんな課題があったでしょう?
波津:漫画で読むとどうなるのか、実写の方がいいのか。あるいは小説のままのほうがいい作品、というのはありますよね。そこが”原作”として評価する難しさです。例えば『月夜に歩く猫の秘密』などは会話劇なので漫画向きとは言いにくい。