日本を代表する長距離砲、村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(巨人)は、いずれも今年のシーズンオフ以降、メジャーに挑戦する可能性がある。これまで大谷翔平(ドジャース)は別格として、日本人スラッガーがメジャーで長距離砲として活躍するのは難しかったが、村上、岡本はどうか。メジャー関係者は厳しい見方を示す一方で、「村上より素質は上」というスラッガーの名前を挙げた。
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村上は米国でプレーしたい意向を表明しており、球団もその思いをくみ取っている。3年契約の最終年が終わる今オフ、ポスティング・システムを利用してメジャー挑戦するのは既定路線だ。
村上は22年に「令和初」「史上最年少」の三冠王に輝き、日本人登録選手では史上最多の56本塁打を放った。昨年も33本塁打、86打点の2冠で、3度目の本塁打王を獲得。間違いなく日本球界を代表する長距離砲で、メジャー各球団のスカウトが球場で視察を続けている。
ただ、中にはシビアな評価もある。西海岸球団の編成担当がこう話す。
「22年と比べると、その後は少し停滞しているように感じます。ボールを遠くへ飛ばす才能は目を見張るものがあるが、確実性が少し落ちている。球場の広さも考慮しなければいけない。ヤクルトの本拠地・神宮は本塁打が出やすいですから。メジャーでは打率.240、25本塁打ぐらいが妥当ではないでしょうか」
本塁打王を分け合ってきた村上と岡本
岡本もメジャー移籍の希望を球団に伝えているとされるが、このオフはポスティング・システムを使ってのメジャー挑戦は見送られた。巨人はポスティング・システムに消極的といわれ、今年のチームと岡本の活躍次第でメジャー挑戦の可能性が生まれることになりそうだ。
岡本は昨年27本塁打に終わったが、それまで6年連続30本塁打以上をマークした長距離砲だ。20年以降、岡本が3度、村上が3度と本塁打王のタイトルを2人で分け合ってきた(21年は2人が同数で受賞)。岡本についてもメジャー各球団はマークを続けているが、米国で取材する通信員はこんな見方をする。
「日本人投手は制球力と変化球の質の高さに定評があり、160㌔を超える直球が投げられなくても、今永昇太(カブス)のように活躍できるが、打者の場合は米国や中南米でプレーする選手とはパワーの差が歴然です。投手の平均球速も日本より上がるので、スタンドに運ぶにはパワーと技術の両方が求められる。岡本も30本塁打以上打つのは非常に難しいと思います」