阪神・佐藤

浜風がなければ文句なしに本塁打

 メジャーが評価する長距離砲はまだいる。このオフにポスティング・システムを利用した将来のメジャー挑戦の希望を球団に伝えたことが報じられた佐藤輝明(阪神)だ。昨年は16本塁打に終わり、入団以来4年連続20本塁打達成はならなかったが、メジャーのスカウトの評価は落ちていないという。

甲子園は左打者が本塁打を打つのが難しい。右翼から左翼に浜風が吹いているため、打球がすべて戻されてしまう。佐藤はプルヒッターなので、他の球場だったら文句なしに本塁打となる打球が、甲子園でスタンドインしていないことが多かった。佐藤は現段階でも米国で20本塁打を打つ力は持っています。ただ米国でプレーするなら三塁より外野手のほうがいい。彼の適性は外野手だと思います」(メジャーリーガーの代理人)

 細川、佐藤は侍ジャパンに選ばれたことがなく、日の丸をつけて五輪、WBCなどの大舞台に出場していない。侍ジャパンを取材するテレビ関係者は次のように分析する。

「スラッガータイプの選手は本塁打を量産する時期がある反面、スランプに入ると長い傾向がある。計算ができないので国際試合で起用されづらいのでしょう。でも、村上と岡本がポスティング・システムを利用してメジャーに挑戦した場合、26年のWBC出場は不透明です。細川、佐藤はシーズンで結果を残せば侍ジャパンに選出される可能性がある」

 国際舞台でアピールするためには、シーズンでの活躍が不可欠だ。細川は3年連続最下位から巻き返しを狙うチームの主軸として、佐藤はV奪回を狙う阪神のクリーンアップとして、期待値が高い。ホームランアーティストしての才能を本格的に開花することができるか。今季のパフォーマンスに要注目だ。

(今川秀悟)

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