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キレ味抜群の大口径MFレンズ
APS-Cのイメージサークルをカバーする、サムヤンのミラーレス機用の新しい大口径単焦点広角レンズ。今回は、カメラにキヤノンEOS M3を使ったので、35mm判換算で33.6mm相当という個人的には好みの画角になった。富士フイルムやソニー用なら少し広い31.5mm相当になり、マイクロフォーサーズ用もあり、42mm相当の画角になる。開放F1.4と大口径でも、小型・軽量なのが特徴だ。ミラーレス機用の純正レンズでは、ボディー側で収差を補正することを前提に設計されているものも少なくない。しかし、この21mmはMFレンズでマウント部には電子接点は設けられていないから、レンズ単体の性能で勝負をかけているといえる。
レンズ構成は7群8枚と最近の大口径広角レンズとしてはシンプルな構成だが、非球面レンズを3枚、EDガラスを1枚採用するなど、収差補正を追求しているようだ。第1面の口径は意外に小さくこのクラスの大口径レンズには見えないが、ミラーレス機用の特性をうまく生かした設計なのだろう。
使いやすくMFであることを意識させないのもよい。街でのスナップ撮影にも適したレンズだ。

デザイン
フォーカスリングの幅も広く、絞り環を採用しており、クラシカルな雰囲気のあるレンズだ。ベテランにはわかりやすく満足な操作性だろう。フードは花形で、深く効果的なデザイン
使用感・操作感
フォーカスリングのトルク感も上々、MFのピント合わせも楽しいが、被写界深度指標が省略されているのが不満。特に目測での撮影では不便なので改善を求めたい
描写性
レンズ構成が多いイコール高性能というステレオタイプな図式を打ち破る優れた描写。開放で実用になるコントラストとシャープネスは予想以上。周辺光量低下もこのクラスのレンズでは軽微だ
◆赤城耕一
* * *
●焦点距離・F値:21mm・F1.4●レンズ構成:7群8枚●最短撮影距離:0.28m●画角:69.3°(約1.5倍APS-C)、66.4°(約1.6倍APS-C)、55.6°(マイクロフォーサーズ)●フィルター径:φ58mm●マウント:キヤノンEF-M、富士フイルムX、ソニーE、マイクロフォーサーズ●大きさ・重さ:φ64.3×67.5mm・275g(キヤノンEF-M用)●価格:オープン(未定)
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