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2016年6月度のギャラクシー賞 テレビ部門には下記の各番組が選ばれました。
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●明日へつなげよう 証言記録 東日本大震災 第54回
「福島県南相馬市~原発バス避難 試練の2週間~」
7月17日放送/10:05~10:53/日本放送協会 NHKエンタープライズ
●「とと姉ちゃん」と、あの雑誌
7月18日放送/8:15~9:00/日本放送協会
●NHKスペシャル
「未解決事件File.05 ロッキード事件」
〈第1部〉実録ドラマ 前編 〈第2部〉実録ドラマ 後編
〈第3部〉日米の巨大な闇 40年目のスクープ
7月23日放送/19:30~21:58 24日放送/21:00~21:58/日本放送協会
●「かたらふ~ぼくたちのスタア~」
毎週土曜放送/17:00~17:30/フジテレビジョン
【7月の月評会報告】新メンバーでテレビ委員会スタート
7月から新メンバーによるテレビ部門委員会がスタート。あらたに岩城浩幸さん、小泉世津子さん、西森路代さん、旗本浩二さん、福島俊彦さん、藤田真文さんが選奨委員に加わり、初回から活発な議論が交わされた。
まず多くの委員から高い評価を得て月間賞に選ばれたのはNHKスペシャル「未解決事件File.05 ロッキード事件」。40年後のスクープとして実録ドラマとドキュメンタリーで3回にわたって放送。当時の日米関係者の証言や独自に発掘した内部資料をもとに、事件の真相が軍事と金の巨大な闇だったことを見事に浮かび上がらせていた。また同じくドキュメンタリーでは、体験者たちの生々しい証言を積み重ねて原発事故の避難の難しさと課題を浮き彫りにした、証言記録 東日本大震災「福島県南相馬市~原発バス避難 試練の2週間~」(NHK)が月間賞に選ばれた。このほか、介護殺人という重いテーマを当事者たちの声で綴ったNHKスペシャル「私は家族を殺した〜“介護殺人”当事者たちの告白〜」、高精細な映像で身体の動きをとらえたNHKスペシャル「ミラクルボディー第1回 世界最強の人魚たち」、摂食障害の受刑者が増えている実態を描いたNNNドキュメント'16「食べて吐いて~塀の中の摂食障害~」(福岡放送)なども好評だった。
ドラマは今月から新シリーズがスタート。今期は8月にオリンピック放送があるため、放送回数など通常とは異なる編成の作品が多い。そうしたなか、連続ドラマW「希望ヶ丘の人びと」(WOWOW)、「はじめまして、愛しています。」(テレビ朝日)、「時をかける少女」「家売るオンナ」(いずれも日本テレビ)などが好評だったが、個々の評価については今後のシリーズを視聴したうえで議論することとなった。このほか戦時中ヨーロッパで諜報活動に奔走した駐在武官夫婦の半生を描いた終戦スペシャルドラマ「百合子さんの絵本」(NHK)については、藤田委員の私評をGALACでお読みいただきたい。
バラエティ・その他は、今月は数多くの番組がリストアップされた。このうち小堺一機とゲストが芸能界の伝説の人物について語り合う「かたらふ~ぼくたちのスタア~」(フジテレビ)が月間賞に。トーク番組としての新しさを評価する声が多かった。同じく月間賞に選ばれたのは「『とと姉ちゃん』と、あの雑誌」(NHK)。単なる番組宣伝の域を超えて情報性の高い内容と温かみのある演出が評価された。このほか今年で30回目を迎えた「FNS27時間テレビフェスティバル!」(フジテレビ)について太田委員が私評で考察している。(出田幸彦)