英語タイトルに込められた意味
NHKが海外配信用に作成した「べらぼう」の英語タイトルを「UNBOUND(アンバウンド)」としたことも象徴的だ。このタイトルには「解放された」「とらわれない」という意味が込められており、重三郎の自由で大胆な生きざまが表現されている。同時に「未製本」という意味も含まれており、出版業における蔦屋の革新性や、まだ形になっていない無限の可能性を示唆していると見られる。
江戸時代という未成熟なマーケットの中で、クリエイターの才能を発掘し、画期的な出版物を次々と世に送り出すことで新たな需要を創出する重三郎。ドラマを通じて、江戸のマーケティングがどれほど先進的であったかを再認識しながら見れば、「ワクワク感」が止まらなくなりそうだ。
(泉康一)