取材はリュウジさんのYouTube撮影と同時に行われた。新作の「脂肪燃焼にんにくスープ」、出来立てで相当熱いはずなのだが余裕で口に(撮影:松永卓也/写真映像部)

 血糖値の急上昇と脂肪蓄積の関係については後述する。リュウジさんの脂肪燃焼スープは、朝はもちろん昼に(ランチジャーなどに入れて)会社で食べてもいい。夜を脂肪燃焼スープにして炭水化物を控える(米を食べない、ではない)のもアリ。

 リュウジさんのレシピを尾形さんは、非常に高く評価した。脂肪燃焼スープ+茶わん半分のごはん(70グラム)か6枚切り食パン1枚。朝や昼はこれに卵、納豆や豆腐。夜は低脂質の肉料理などをプラスすれば、ほぼ完璧な健康食が完成するという。

 リュウジさんが「糖質を全然とらないのもよくない」と言っていたが、尾形さんも医師として同意した。健康的に体重を減らしたいなら糖質をセーブするのは有効。ただし糖質ゼロの食事を続けるのは健康によくない。

 尾形さんは本誌のために「脂肪燃焼スープ・10の条件」を書いてくれた。順番に解説する。

(1)活動エネルギーよりも少ないエネルギー量で食べること

 いくら脂肪燃焼スープが低カロリーといっても、とんでもない量を食べないこと。たっぷり食べてもいいが、常識の範疇で。

「食事による摂取カロリーを活動エネルギー量よりも少なくすることで、体内の脂肪がエネルギー源として使われ始めます」

脂肪が落ちる順番

 ここで興味深い話を聞いた。脂肪には「皮下脂肪」、胃腸などの消化器につく「内臓脂肪」、肝臓・膵臓や筋肉にもつく「異所性脂肪」(本来たまるはずのない場所に蓄積)などがある。体内のどこに蓄積しているのかによって、脂肪の消費(燃焼)に優先順位が決まっている。エネルギー不足で最初に分解されるのは肝臓の異所性脂肪。続いて内臓脂肪、最後に皮下脂肪。

 肝細胞の5%以上が脂肪化した「脂肪肝」は肝硬変や糖尿病とも関連性が深い。内臓脂肪も生活習慣病を誘発しやすい。先ほどの「優先順位」は人体に不都合な場所にたまった脂肪から消費されるということか。体ってよくできている。正月明けに気になるのは皮下脂肪だが、健康面を考えると肝臓の脂肪から落としたほうがいい。

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