
一方、山和証券の志田憲太郎調査部部長は「アメリカは景気を押し上げる高圧経済が続く」と見るが、それが必ずしも日本の株高にはつながらないと分析する。
「すでに25年から本格化するトランプラリーを日本も織り込んでいます。トランプ氏は自国産業の保護を明確にしているため、その政策で日本が受ける恩恵はそう大きくないというのが私の見方。中国に対する関税の引き上げにより、日本製品に対する代替需要が生まれる可能性はあるものの、対日関税の引き上げリスクもあり、25年前半は製造業にとって厳しい環境になることが予想されます。製造業は日経平均のなかで大きなウエートを占めているだけに、日経平均の上値は重たくなる可能性がある」
それでも4万3000円まで
そのため、25年の日経平均は「4万円を中心値にして上下数%の狭いレンジになる」と予想する。
「株価は企業の利益と期待度の掛け算で決まります。直近の日経平均の予想EPS(1株当たり利益)は2460円程度ですが、来期は2600~2700円に伸びるだろうと予想されている。これに足元のPER15.5倍をかけ合わせて、4万300円~4万1850円が現実的なラインでしょう。24年7月に4万2000円台をつけたときはPERが17倍を超えましたが、これは新NISA効果と1ドル160円を超える大幅な円安で期待度=PERが高まった影響です。12月の日銀政策決定会合後の総裁会見によれば、25年1月の利上げも見送られる可能性が高まったことはサプライズなので、PER16倍まで期待値が高まる可能性はありますが、それでも4万3000円までと見ています」(志田氏)