三山ひろし(撮影/上田耕司)

「紅白」では1度も失敗したことがない

 本番で、三山は背後でけん玉をやっているのを感じつつ、どんな気持ちで歌っているのか。

「歌っている時は、できるだけ何も考えないようにしています。歌は歌でちゃんと届けないといけないので」

 そうはいっても、けん玉リレーの最後の1人は三山本人となる。

「大体、カメラは私の顔を撮っているから、カメラに向かって歌い上げ、終わったら、まずマイクをしまいます。けん玉を首にかけている場合もあるんだけど、着物の場合は帯にけん玉を挟んでいたり、洋服の場合は内ポケットにしまっています。そのけん玉を取り出し、今どの辺を玉が回っているかを見ます。それで、キタ、キタ、キタと確認しながら、最後は自分の番でガチャっと決めます。僕はこれまで『紅白』で1度も失敗したことがないんですよ」

 三山には妻と小学6年の長女、小学3年の長男がいるが、家族はけん玉についてどう思っているのだろうか。

「全然興味がないですね。最初はちょっとやったんですけど、あんまり凝り性じゃないから、のめりこむことはなかった。家にはけん玉が40本、段ボール一杯くらいあるのに、子どもたちも全然やらないですね。長女はちょっとやって五級は取ったんですが、やめてしまいました」

 そう言いながら少しさびしい顔をしつつ、今年の「紅白」にかける意気込みをこう語る。

「会う人たち皆から『がんばってください』と励まされます。今年も全国からプレーヤーが集まって来るので、ぜひ成功させて、気持ちよく年を越したいですね」

 もはや「紅白」の風物詩となったけん玉のギネス世界記録挑戦。今年は歓喜のシーンを見てみたい。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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