片づけられないと悩む人は多い。そんな片づけを習慣化することで部屋がきれいになるだけではなく、人生までも変わる――。大人気のお片づけ習慣化コンサルタント、西崎彩智さんはそう提唱する。今回は片づけができない人の残念な心理について西崎さんの最新刊『人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』(朝日新聞出版)から紹介する。
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ぐちゃぐちゃになるまで乱れた部屋を片づけ始めるには勇気と時間が要ります。つい、やらない理由として「今は片づけの時間がない」「今は片づける心の余裕がない」と時間がないせいにして何もしない日が積み重なり、そのうち片づけ自体にも興味がなくなって、汚部屋へ一直線……。
ドキッとするような話ですが、実際はよくある話です。私たちが本当に暇になるときって、一体いつになったら来るのでしょうか?私もこの年齢になるとよくわかりますが、人生ってずっと忙しいんです。若い頃は仕事に忙しくて、子どもが小さい頃は本当に毎日戦争みたいに忙しくて、子どもがある程度大きくなったな、と思ったら親の介護で忙しくなったりします。それが終わったら今度は自分の体にガタが来てしまったりして(もちろん、そうならないことを願いますが!)、いったい私たちはいつ忙しくないときが来るんだ、と思ってしまいます。そもそも片づけって基本的にはめんどくさいこと、目をそらせたいことですから、そのための時間ってわざわざ作ろうと思わないものなのです。
保育園の先生をしているM さんは、子どもたちに人気のベテラン先生。周りの先生や保護者からの信頼も厚く、尊敬されていましたが、実は片づけが苦手で家の中はぐちゃぐちゃ。
そんなM さんは年末も迫ってきた時期に一念発起で片づけを決意します。実はMさんの保育園はクリスマス前のこの時期がいちばん忙しい。しかし、仕事が終わってからの夜と朝に少しずつ時間を作り、年内中に家中の片づけをやりきりました。「自分の人生で暇になるときなんてないな、と思ったら、思いついた今、片づけをしたいと思ったんです。もし、暇な時間ができたら、そのときは片づけではなく、もっと楽しいことをしたいと思いました」と言っていたのが印象的でした。