実際、Mさんはその後、時間を見つけては旅行に行ったり、新しい習い事を始めたり、仕事以外にも精力的に動き始め、楽しそうです。片づけを完了した人は時間の使い方も変わってくるのが面白いですね。
そもそも「時間がないから片づけられない」と言っている人は片づけを一気にやろうとしているのが間違いの元。それをやろうとすると引っ越し並みに時間がかかります。何度も言いますが、たとえ10分でもいいので、集中してやることが大事です。短時間でも毎日やり続けることで部屋は必ず片づいていきます。そして習慣化することがリバウンドしない秘訣です。どうしても時間がない、という人は一度、自分の24時間の行動を書き出してみましょう。ダラダラとスマホを見ていたり、目的もなくテレビを見ていたりする時間はありませんか? 1時間は無理でも10分ぐらいなら時間はどうにか作れませんか?
こうやって行動を「可視化」してみることは時間管理力をつける上でも大事です。いつもルーティンでやっている家事をタイマーで計ってみるのもいいですね。たとえば私は、自分が住んでいるマンションの掃除機をかけるのにでタイマーで計ってあげると片づけが楽しくできたりします。タイマーはかなり万能に使えるので、ぜひ日常に有効に取り入れてみてください。
文具メーカーのコクヨが2022 年に行ったアンケートによると、1日のうちに「探し物」にあてている時間は平均で13.5分であったそうです。これは年間に換算すると約54時間。2日以上も「探し物」に時間をかけていることになります。片づいていない家の中で暮らしている人はその何倍も時間をかけているかもしれません。
探し物をしている時間というのは、いちばん生産性のない時間です。片づけていれば、この不毛な時間をグンと短縮することができるでしょう。片づけをすれば時間が戻ってきます。
※西崎彩智著『人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』より抜粋