社交辞令と知りつつも、いや、もうその優しいお気遣いと忖度で胸がいっぱいです。
当方の前職のことは、日々の授業で少しずつご理解いただいたように思います。複数の授業で、当方に気を遣う教員が保育や幼児教育について「では新聞記者の経験に基づいて話してください」とおっしゃり、調子に乗ってべらべらと語っていたものですから。
犬に見えないのですが―裁縫に苦戦
同級生ばかりではありません。短大では、教員もまた様々に個性的です。ここ東筑紫短大を卒業した教員も少なからずいます。保育所に学生が出向いて子どもと関わる「実習」を指導する女性教員もその1人でした。保育所での長い勤務経験をお持ちです。
授業に臨む学生の髪型や服装、爪の長さ、態度に不備があると厳しく指導なさいます。当然のことです。当方は髪型をはじめ外面にさほど問題はなく、ひたすら授業でおっしゃることの吸収に努めておりました。
実習中、学生は常に名札を装着しなければなりません。名札は裁縫で手作りするよう指示され、これも成績評価の対象となります。指の腹に無数の針による傷をこさえながら作った当方の名札は、犬を象ったつもりでした。しかしながら犬には見えません。
教員は「何に見えますか、と子どもに問えばよろしいのでは。話が弾みますよ」と助言してくださった。後に実習先でその通りに。感謝申し上げます。名札作りでは家人から多大な支援をいただいたことを小さな声で申し添えます。
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