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二次会として訪れた、生徒会長だった男子が経営する、居酒屋でのことだった。

隣の席の男子と話していたところ、「あっ、ごめんね〜」と言いながら、私と男子のあいだに誰かがふらつきながら割り込んできた。かと思えば、その人は私の胸を触っていった。

「!?」

慌てて振り向くと、そこにはメガネ男子の姿があった。医者になったと話していた男子だ。「すごかね。同級生で一番出世したんじゃなか?」と誰かがチヤホヤしていたっけ。私とは小学校から一緒だったものの、クラスは一度も一緒になったことはない。

気を取り直して私は隣の男子と会話を続けていると、しばらくしてまた同じことが起こった。メガネ男子が「ごめんね〜」と割り込んできて、私の胸をさり気なく揉んでいく。

「!」

隣の男子は「酔ってる奴らはしょうがないよな」と呆れていた。おそらく、メガネ男子が胸まで触っていたことにまでは気づいていなさそうだった。

今度は私は席の向きを変え、隣に割り込まれにくいようにした。すると、しばらくしたら、背中に違和感を抱いた。ブラジャーのホック部分を誰かがスリスリと触っている。

振り向くとメガネ男子がいた。彼は私の姿を見るとサッと離れた。
再び、隣の男子と話していたところ、また私の背後からブラホックを触られる気配があった。

「ーー!」

やめて、と言おうかとも思ったけど、ほかの同級生たちや先生に知られたくなかったし、場の雰囲気を壊したくなかった。
驚きと恥ずかしさと悔しさで、結局、私は何も言えなかった。
 

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