『人間関係の悩みがなくなる 期待しない習慣』(朝日新聞出版)
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期待をすり合わせるための会話術 夫婦編

 夫婦間の期待のすり合わせを怠ると、最悪、離婚の危機になります。毎日の会話の連続でできている夫婦関係は、会話を工夫することで、圧倒的に向上しますので、どうぞお試しください。

・未来志向で考える

 夫婦間での期待のすり合わせでは、「未来志向」を前提にして交渉するとうまくいきます。

 未来志向とは、例えば、「私たち夫婦は、10年後にはどんな夫婦でいたいか?」などの未来像を共通の判断基準に据えるということです。「金婚式のときにどんな夫婦になっていたいか」というように、人生の基本方針の視点から、軸足を未来に置いて期待のすり合わせをするのです。

「マイホームを買うか賃貸でいくか」「子どもをどう育てるか?」「夫婦共働きをするかしないか?」といった目の前の問題・課題をどう解決するかを話し合うと、見解が異なり対立しやすくなるもの。

 そのかわりに、「将来どんな家に住んでいたらハッピーか?」「子どもと20年後、どんな関係になっていたら楽しそうか?」「7年後、どんなライフスタイルを実現できていたら幸せだろうか?」こういった問いに変換して、これから先の未来、どんな夫婦でいたいかに目を向けると、共通の期待としてすり合わせしやすくなります。

 問題に対しての解決策や計画を話すことよりも、未来の夢を語ることで人は心が動き、一致団結するのかもしれません。せっかく、長く共に生きる伴侶を得たのであれば、未来の話に花を咲かせてほしいものです。お互い、穏やかな気持ちでいそうな瞬間に、こんな会話を切り出してみるのはいかがでしょうか。

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