そんな知人が例えば上司に対して、「こちらの身にもなってくださいよ」と伝えたとすると、どんな言葉が返ってくるでしょうか。前段のやり取りだと、おそらくネガティブな言葉が返ってくることが想定されますが、おそらくこの5つのどれかになるでしょう。
1「言われた通りやってくれよ、めんどくさいな」
2「言ってることがよくわからないんだけど……どういう意味?」
3「それって本当に大事なの? 仕事だよ……」
4「またその話? もうよくない?」
5「今その話する? だいたい忙しい時にその話してくるよね」
どれも、会話としてはうまくいかないですよね。ですので、実際に期待を伝える前に、辛いかもしれませんが相手が①から⑤のどの言葉を言ってきそうか、想像してみてほしいのです。そして、それが特定できたら、相手の考えていそうな言葉を先に言葉にしてセリフを作ってみるといいでしょう。
それぞれの事例でセリフのイメージをご紹介しますね。
1「言われた通りにやれていなくて、面倒だと思うのですが、理由があるので少し話を聞いてもらえませんか?」
2「私のお伝えしていることは、ちょっとわかりにくいと思うのですが、少し一緒に整理する時間をいただけますか?」
3「仕事の中では効率重視なのはわかっているのですが、私が大切にしていることについて相談させてもらえないでしょうか?」
4「また同じ話で申し訳ないんですが、どうしても納得できないことがあって。少し聞いてもらってもいいですか?」
5「相談したいことがあるんですが、いつだったらお時間いただけそうですか?」
普段から一緒に仕事をしている相手なら、その人が感じていそうなことは容易に想像がつくと思いますので、それを先読みして言葉にすると、「配慮が感じられる」と、相手も聞く耳を持ってくれる。がんばってそんな機転を利かせてみてください。