問題と異なる部分で注目浴びた小保方氏と折田氏
「似たような状況で思い出すのが、小保方さんではないか」
と話すのは、元東京地検検事で、ヤフーの法務部にも籍を置いたことがある落合洋司弁護士だ。
2014年に万能細胞の「STAP細胞」についての研究論文を発表し、「ノーベル賞級の発見」と注目された理化学研究所発生・再生化学総合研究センター(神戸市)のユニットリーダーだった小保方晴子氏。当時30歳という若さや、かっぽう着姿で研究する容姿も注目され、一気に「時の人」となった。
しかし、わずか1カ月ほどで論文に捏造疑惑が指摘され、記者会見で、
「STAP細胞はあります」
と強く訴えたが、結局、論文は撤回されることになり、検証実験をしてもSTAP細胞を再現できず、小保方氏は理化学研究所を去ることになった。
落合弁護士は言う。
「小保方さんの時も若く女性らしい容姿に注目が集まり、STAP細胞の研究はそっちのけで小保方さんを取り上げる世論が生まれた。STAP細胞の研究やその問題の本質が見えにくくなった。折田氏も自ら公開しているSNS映えするブランドもののバッグや、お嬢様ぶりという、告発されたこととは関係ないことでも注目されている。小保方さんのときよりも、今はSNSなどでバズる、炎上するトピックに人々が殺到する時代。YouTubeなどのネットユーザーもお金になるので、よけいです。ただ、折田氏は選挙という民主主義の根幹に深くかかわっていたと自分で言っているのですから、自身の言葉できちんと話すべきではないか」
折田氏は、業務かボランティアかは別にして、SNS戦略によって斎藤氏を当選させた実力も、自負もあるはずだろう。雲隠れするばかりでなく、自らの言葉できちんと語るべきではないだろうか。
(AERA dot.編集部・今西憲之)