
3度目のワールドツアーの日本公演で圧巻のパフォーマンスを展開。世界を席巻するK-POPグループ、Stray Kidsに迫った。AERA 2024年12月9日号より。
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圧巻だった。最新ミニアルバム「ATE」でグループとして史上初の「Billboard 200」5作連続1位を達成。世界を席巻するStray Kidsの3度目のワールドツアー日本公演初日、満員の東京ドームで披露された曲数は実に35曲。「ATE」の冒頭を飾る「MOUNTAINS」から急遽追加されたトリプルアンコール曲「Haven」まで。パフォーマンスからは自らの音楽に対する確信と貫禄が溢れていた。
楽曲制作はバンチャン、チャンビン、ハンによるプロデュースユニット、3RACHAを中心に自らが手がける。料理を取り入れた振り付けが特徴的でグループ初のMV1億回再生を突破した「God's Menu」(2020年)をはじめ、Stray Kidsのクリエイティブは非常に独創的だ。表紙を飾った本誌23年2月27日増大号でメンバーはこう語っていた。
「曲にしても振りにしても、Stray Kidsにしかできないものであるということをいつも意識しています」(アイエン)
「僕たちは他のアーティストがやっていない音楽を作り続けています。パフォーマンスも独創的なものであるということを常に大切にしています」(ヒョンジン)
「Stray Kidsを音楽のジャンルにしたい。簡単に叶う夢ではないのでプレッシャーを感じていますが、その夢に向かって努力しています」(ハン)
そこから2年弱。メンバーが巨大なオープンカーに乗り込んだり、ボンネットに座ったりしながら披露された「ATE」のタイトル曲「Chk Chk Boom」。ラテン調のヒップホップトラックに乗せた歌詞は韓国語と英語に加え、スペイン語とフランス語も交じっている。グローバルグループとして視野を広げ、新たな要素を見事にStray Kids色に染め上げた楽曲で歌われるのは、「目指すのは高みだけ」「ゴールの持ち主は自分」という確固たるメッセージだ。(ライター・小松香里)

※AERA 2024年12月9日号