
日本の政策金利が今後1%台に上昇するなかで、住宅ローンの変動型の金利への影響を心配する人も多いだろう。塩澤氏は「それでも、住宅ローンは変動がいい」と断言する。何故なのか。
「現在、一般的な変動金利は0.3~0.4%台、固定金利のフラット35では1.8%台となっています。変動金利は固定金利と比べて明らかに低く、1.4%程度も大きな開きがある。つまり、0.25%の利上げを合計6回も行わなければ、固定と変動の差は逆転しません。金利が上昇局面に入ってきたからといって、すぐにそこまで急激な上昇はないと思います」
金利の上昇局面はずっと続くわけではない。金利は日銀がコントロールしており、不景気であれば景気を刺激するために低金利にし、好景気であればプレーキをかけるために高金利にする。
かえって高い金利に
「今回の金利上昇がどれくらいの水準で落ち着くかは未知数ではありますが、金利が高い状態が35年も続くわけではありません。金利にもサイクルがあります。過去20年間を振り返っても、金利が高い期間は2年くらいでピークアウトし、10年以上は金利が低い状態が続いていました。0.25%程度の利上げであれば、返済額にもよりますが月々数千円程度の返済額の増にとどまるでしょう」
下手に、金利が上昇しているからといって固定型の金利に借り換えてしまうと、かえって高い金利で借りることになり住宅ローンの総返済額が増えてしまう可能性もあるという。そうなっては本末転倒だ。